分析
OpenAI、生物学モデルGPT-Rosalind-6を承認済みの顧客限定で公開
OpenAIのGPT-Rosalind-6はGPT-6 Astraと同じ重みで、デュアルユースの生物学での拒否が少なく、承認された顧客のみが使える。OpenAIの主張、測定、未確立の点。
2026年11月1日時点で、OpenAIは生物学、創薬、トランスレーショナル医療向けの推論モデルGPT-Rosalind-6のシステムカード補遺を公開した。モデルは「GPT-Rosalind-6 Research」として、承認された顧客にのみ提供される。OpenAIによると、重みはGPT-6 Astraと同じで、変わるのはデュアルユースの生物学における拒否の境界とアクセスの関門である。私たちはこのモデルをテストしていない。
要点
- 何か:OpenAIによると、GPT-6 Astraと同じ重みで、学習データも追加の事後学習も加えていない。デュアルユースの生物学での拒否が少ない。
- 誰が使えるか:承認された顧客(資格のある科学者、研究機関、企業、政府のパートナー)。一般には提供されない。
- OpenAIが測定したもの:3つのライフサイエンス系ベンチマークでの、GPT-Rosalind-5.5に対する社内での向上。
- 未解決の点:独立した検証、公式の価格、承認された組織の数。
OpenAIは正確には何を発表したのか
2026年10月30日、OpenAIはDeployment Safety Hubでシステムカードの補遺を公開した。GPT-Rosalind-6は、生物学、創薬、トランスレーショナル医療向けのフロンティア推論モデルだと説明されている。
中心となる主張は、今回のリリースのために学習データを追加せず、追加の事後学習も行っていないという点である。つまり重みは、OpenAIの主力推論モデルGPT-6 Astraのものと同じである。
このモデルは通常のチャットタブにはない。i-SCOOPは、APIの識別子としてgpt-6-rosalindを挙げ、Codex、ChatGPTワークスペース、API経由で使えると伝えている。
誰が、どのような条件で使えるのか
アクセスは「信頼されたアクセス」のみである。申請者は、ライフサイエンスにおける正当な使命、信頼できる用途、研究面と運用面のガバナンス、モデルを誰が使うかを管理する能力を示す必要がある。政府以外の申請者は、企業確認とコンプライアンス審査を受ける。政府にはバイオセキュリティ、公衆衛生への備え、バイオ防衛の分野で選ばれた機関向けの別ルートがある。
承認された顧客は、最小権限のアクセスと内部リスク対策を適用し、出力が実験、論文、重要な判断の根拠となる前に、資格のある人に確認させなければならない。OpenAIはアクセスを制限または取り消せる。モデルへのアクセスとデータ保持は別々に承認される。
出典:OpenAI、システムカード補遺(2026年10月30日)、i-SCOOP(2026年10月31日)。
OpenAIの測定は何を示しているのか
以下はOpenAIの社内測定で、推論予算は最大である。GPT-Rosalind-5.5のスコアは同じバージョンのベンチマークで再計算されているため、公開時の数字とは異なる。
出典:OpenAI、システムカード補遺(2026年10月30日)。社内測定。GeneBench Proは本番と異なる、ベンチマーク専用の設定を使う。
TroubleshootingBenchでは、OpenAIは59.0%(832問中491問)を報告しており、目安となる「High」のしきい値は36.4%である。4つの「Critical」能力テストのいずれも、目安のしきい値には達していない。OpenAIは、これらのしきい値は暫定的な推定であり、バイオセキュリティの採点はまだ更新中だと記している。
GPT-6 Astraと比べて何が変わるのか
重みは変わらない。OpenAIによると、このモデルは一般のChatGPTモデルよりデュアルユースの生物学での拒否が少なくなるよう作られており、生物兵器の製造に意味のある助けとなる要求には、拒否するか慎重に答える。生物リスク知識テストでの拒否率は9.4%で、GPT-6 Astraは29.2%、GPT-Rosalind-5.5は1.8%である。
Preparednessフレームワークでは、OpenAIはこのモデルを生物・化学リスクで「High」(「Critical」未満)、サイバーセキュリティで「Critical」(Astraから引き継ぎ)、AIの自己改善では「High」未満と評価している。リアルタイムのブロックを無効にしたサイバー脱獄テストでの成功率は14.3%である(Astra:15.7%、低いほど良い)。OpenAIは安全性の比較を記述的なものだとしている。
これらのどれも、モデルが実際の創薬を加速することを示すものではない。示されているのはベンチマークであり、実験室での結果ではない。
何が確立されていないのか
承認された組織の数は不明である。私たちが確認できた範囲では、このモデルの独立した検証は公開されていない。価格については、第三者の分析(FourWeekMBA、10月31日)がgpt-6-rosalindの項目を入力100万トークンあたり15ドル、出力75ドルと読み、GPT-6 Astra(10ドルと50ドル)の約1.5倍としているが、i-SCOOPはその日に公式価格は公表されていないと述べている。この数字は未確認として扱う。バイオセキュリティのレッドチーミングはGPT-Rosalind-5.5で実施されており、Rosalind-6での再実施は進行中である。
比較表
| 項目 | 2026年11月1日時点の出典の内容 | 出典 |
|---|---|---|
| 性格 | 生物学、創薬、トランスレーショナル医療向けの推論モデル | OpenAI |
| アクセス | 信頼されたアクセスのみ。承認された顧客。通常のチャットタブにはない | OpenAI、i-SCOOP |
| 重み | GPT-6 Astraと同じ。学習データも事後学習も追加なし | OpenAI |
| 拒否(生物リスクテスト) | 9.4%(5.5:1.8%、Astra:29.2%) | OpenAI |
| 社内測定 | MedChemBench 49.6%、GeneBench Pro 37.7%、LifeSciBench Gold 61.3% | OpenAI |
| 価格 | 未確認:第三者によると$15 / $75(100万トークンあたり)。公式価格なし | FourWeekMBA、i-SCOOP |
よくある質問
GPT-Rosalind-6は一般に公開されているのか
いいえ。申請と審査を経た承認済みの顧客だけが使える。通常のチャットタブにはない。
生物学向けに新しく学習されたモデルなのか
OpenAIによると、新たな学習は行われていない。学習データも追加の事後学習も加えていない。重みはGPT-6 Astraと同じで、変わるのは拒否の挙動とアクセスである。
結果は独立して検証されているのか
いいえ。数字はOpenAIの社内測定である。独立した検証は見つからなかった。
方法と限界
2026年11月1日に、OpenAIのシステムカード補遺と、二次的な記事3本(i-SCOOP、FourWeekMBA、AI Weekly)を読んだ。モデルはテストしておらず、OpenAIの価格ページも読んでいない。補遺のいくつかの表(ProtocolQA、ウイルス学、Rosalind-6のCriticalスコア)は読んでいない。購入や投資の助言ではない。
出典
- OpenAI: GPT-Rosalind-6 system card addendum(確認日:2026-11-01)
- i-SCOOP: GPT-6 Rosalind and trusted access(確認日:2026-11-01)
- FourWeekMBA: OpenAI prices Rosalind-6 at 1.5x Astra on the same weights、第三者の分析(確認日:2026-11-01)
- AI Weekly: OpenAI ships GPT-Rosalind-6 to trusted users(確認日:2026-11-01)