モデル
Thinking Machines、総パラメータ5,940億・稼働170億の「Inkling 2 Small」を公開、重みは来週公開の予定
Thinking MachinesのInkling 2 Smallは総5,940億・稼働170億パラメータ。重みは現在非公開で、Apache 2.0での公開を来週予定。「中国外で最強」は未検証。
2026年11月5日、ミラ・ムラティ氏が率いるAIラボThinking Machines Labは、総パラメータ5,940億、トークンあたり稼働170億のMixture-of-Expertsモデル「Inkling 2 Small」を公開した。テキストと画像を受け付ける。公開時点では同ラボのTinkerプラットフォーム経由でのみ利用でき、重みは非公開だ。同ラボは、安全性テストの後、来週Apache 2.0ライセンスで重みの全体を公開する意向だと述べている。「中国外で最良のオープンモデル」というのは同ラボ自身の主張ではなく、重みが公開されるまで検証もできない。これとは別に、同ラボが50億ドル以上を評価額400億ドル以上で調達する交渉中と報じられているが、何も成立していない。
要点
- モデル:総パラメータ5,940億、稼働170億(Mixture of Experts)。同ラボによれば、テキストと画像の入力、可変の推論労力、2億9,200万パラメータの視覚エンコーダを備える。
- 現時点の利用方法:Tinker(推論とファインチューニング)とTinker Playground。公開時点で重みは非公開。
- 重み:発表は、安全性評価とレッドチーミングを前提に、来週Apache 2.0で重みを公開すると約束している。Inklingファミリーのページは「今後数週間」としか書いておらず、表現は二つで確定日はない。
- ベンチマーク(同ラボの表):Artificial Analysis Intelligence Indexで31(同ラボの表では30.6)、Inkling Smallは13。DeepSeek-V4.1-Flash-1017が32.6で上回る。
- 資金調達:50億〜60億ドルを、プレマネー評価額400億ドル以上で調達する交渉が報じられている。成立はしていない。
Inkling 2 Smallは現時点でオープンウェイトのモデルか
いいえ。公開時点で重みは非公開で、モデルはTinker経由で使う。同ラボの発表は、自社とパートナーによる安全性評価とレッドチーミングが終わり次第、来週Apache 2.0で重みの全体を公開する意向だとしている。ファイルをダウンロードできるまでは、「オープン」は意図を指すにすぎない。先行モデルのInkling(9,750億パラメータ、稼働410億、7月15日)とInkling-Small(2,760億、稼働120億)は、オープンウェイトで公開された。同ラボはまた、このモデルの化学・生物・放射性物質・核のスコアはオープンモデルの最前線を下回り、攻撃的サイバー能力はInkling Smallから大きく向上したがその最前線には届かず、アライメントはGPT-6.1 Solなどのクローズドモデルにまだ及ばないと報告している。
中国外で最良のオープンモデルか
発表はそうは述べていない。最も近い主張は、重みが対象要件を満たせば、DesignArenaでトップのオープンウェイトモデルになる見込みだというものだ。同ラボ自身の表では状況はまちまちだ。DeepSeek-V4.1-Flash-1017はArtificial Analysisの指数(32.6対30.6)やDeepSWEを含む複数で首位に立ち、Kimi K3はSWE-Bench Pro Hardで首位だ。一方Inkling 2 Smallは、AA-AnalystAgentとDayjob:Financeでオープンウェイトモデル中1位、Vals Finance IndexとDiligenceBenchで2位だ。Superpower Dailyは、FrontierCode v2.0で25.4%、DeepSeekは28.5%だったとも伝える。DeepSeekとKimiは中国のラボのモデルなので、「中国外で最良」は中国以外のオープンモデルの中での順位というより狭い話になる。そのような順位は検証できておらず、重みの公開が前提になる。
資金調達について何が分かっているか
The Informationの報道(The Next Webなどが伝達)によれば、同ラボは50億〜60億ドルをプレマネー評価額400億ドル以上で調達する交渉中で、Nvidiaが約25億ドルを出すと伝えられている。ある要約はこの交渉を9月のものとし、ラウンドは未成立だと述べる。Forkastは、500億〜600億ドルを目指した以前の試みが頓挫したことにも触れている。成立の発表は見つからなかった。したがって「50億ドルで400億ドル」は報じられた幅の下限であり、評価額はポストマネーではなくプレマネーだ。
確立されていない点
- 重み公開の日付と条件。「来週」は意図であり、安全性テストの結果次第だ。
- ベンチマーク数値の独立した確認。数値は同ラボか、それを伝えるメディアに由来する。
- 自前で動かすのに必要なハードウェア。読んだ報道には書かれていない。
- 資金調達が成立するか、どんな条件で、Nvidiaの出資比率はどうなるか。
- 中国以外のオープンモデルの中で1位かどうか。
比較表
| 項目 | 2026年11月6日時点で示されている内容 | 出典 |
|---|---|---|
| 規模 | 総5,940億、稼働170億、Mixture of Experts、テキストと画像の入力 | Thinking Machines Lab |
| 利用方法 | Tinkerのみ、公開時点で重みは非公開 | Thinking Machines Lab、Superpower Daily |
| 重み | 来週Apache 2.0で公開を約束(ファミリーのページでは今後数週間) | Thinking Machines Lab |
| Artificial Analysis指数 | 31(同ラボの表では30.6)、Inkling Small 13、DeepSeek-V4.1-Flash-1017 32.6 | Thinking Machines Lab、MarkTechPost |
| 資金調達 | 50〜60億ドルで交渉、プレマネー評価額400億ドル以上、未成立 | The Next Web、Let's Data Science |
| 中国外で最良のオープンモデル | 同ラボは主張していない、未検証 | 同ラボの発表についての当サイトの読み |
よくある質問
Inkling 2 Smallを今ダウンロードできるか
できない。Tinker Playgroundで試すか、Tinkerで推論とファインチューニングを使える。ダウンロード可能な重みは来週の公開が約束されている。
中国外で最良のオープンモデルか
確立されていない。同ラボは主張しておらず、自らの表でもDeepSeekが複数で上回り、重みもまだ公開されていない。
評価額400億ドルは確定したか
いいえ。進行中の交渉で報じられた、プレマネー評価額の下限だ。
方法と限界
2026年11月6日時点の情報です。同ラボの発表は、ページの大部分をカバーする自動抽出で読んだもので、すべての表は確認していません。ベンチマークの数値は同ラボのもので、第三者の報道がそれを伝えています。資金調達の詳細はThe Informationの報道を他メディアが伝えたもので、原文は読んでいません。投資助言ではありません。
出典
- Thinking Machines Lab:Introducing Inkling 2 Small(確認日:2026-11-06)
- Thinking Machines Lab:The Inkling family(確認日:2026-11-06)
- MarkTechPost:Thinking Machines Releases Inkling 2 Small, a 594B MoE With 17B Active(確認日:2026-11-06)
- The Tribune (ANI):Thinking Machines unveils Inkling 2 Small model with 594 billion parameters(確認日:2026-11-06)
- Superpower Daily:Thinking Machines releases Inkling 2 Small through Tinker, holding back downloadable weights(確認日:2026-11-06)
- The Next Web:Thinking Machines is in talks to raise $6bn, The Information reports(確認日:2026-11-06)
- Let's Data Science:Thinking Machines Lab Pursues $5-6 Billion Funding Round(確認日:2026-11-06)
- Forkast:Report on Thinking Machines Lab's funding talks at a valuation of at least $40 billion(確認日:2026-11-06)