分析
Langflowが認証バイパスを含む9.8の重大な脆弱性2件をバージョン1.13.0で修正
IBMは認証バイパスとコード実行のLangflowの脆弱性2件(9.8)を1.13.0で修正済みと説明。回避策はなく、11月2日時点で悪用の報告はない。
IBM Securityは2026年10月28日(10月29日に更新)、AIエージェントのワークフローを作るオープンソースのプラットフォームであるLangflow OSSについてセキュリティ情報を公開した。重大な脆弱性としてCVE-2026-93680とCVE-2026-110186の2件を挙げており、どちらも10点満点で9.8と評価され、バージョン1.13.0で修正された。つまりこのスコアの脆弱性は1件ではなく2件である。2026年11月2日時点で、これらのCVEが悪用されたという報告はない。私たちは何も検証していない。
要点
- 確定していること:9.8(CVSS 3.1)と評価された2件の脆弱性。ネットワーク経由で到達でき、権限もユーザー操作も不要。影響を受けるのはWindows、Linux、macOS上の1.0.0から1.12.8で、1.13.0で修正。
- IBMの推奨:バックアップを取ったうえで1.13.0へ更新する。IBMは回避策(workaround)を示していない。
- 悪用:11月2日時点で報告はなく、CISAのKEVカタログにも載っていない。今後変わりうる。
- 落とし穴:自動ログインに頼っていた環境では、更新の前にパスワード付きのアカウントを用意する。
IBMのセキュリティ情報とCVEは何を述べているのか
CVE-2026-93680は、リモートから認証を回避できる問題(CWE-287)である。ベクトルはAV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:Hで、ネットワーク経由で到達でき、権限も操作も要らない。セキュリティ系の報道とOstorlabによれば、初期設定で有効だった自動ログイン(「auto-login」)の確認に対する不完全な修正だという。1.13.0では、自動ログインは初期設定で無効になる。
CVE-2026-110186は、コード生成の制御が不十分なために任意のコードを実行できる問題(CWE-94)である。こちらも9.8で、ベクトルは同じ。セキュリティ情報は、MCP(Model Context Protocol)のツール列挙を経由する、認証不要の経路を説明している。報道によれば、CVEの説明はこの経路を特定の識別子に明示的には結びつけていない。
セキュリティ情報には、ほかにLangflowの脆弱性が2件ある。CVE-2026-110193(8.8)は、権限の低い認証済みユーザーが「Agentic Assistant」にOSのコマンドを実行するコードを生成させられる問題。CVE-2026-110192(6.5)は、認証済みユーザーに対して認証情報の保護が不十分な問題。ライブラリHonoの脆弱性3件(5.9、5.3、6.5)も挙げられている。
出典:IBM Securityのセキュリティ情報。
誰が、どんな条件で影響を受けるのか
バージョン1.0.0から1.12.8までのLangflow OSSのインスタンスすべてである。Ostorlabによれば、リスクの条件は、信頼できない人が到達できるインスタンス(社内ネットワークを含む)であることと、自動ログインが明示的に無効化されていないことである。画面やMCPのエンドポイントへのネットワークアクセスを絞ればリスクは下がるが、修正の代わりにはならない(aicybr、Ostorlab)。
1.13.0で何が変わるのか、締め出されずに更新するには
IBMの手順は、pip install --upgrade "langflow==1.13.0"を実行するか、Dockerイメージlangflowai/langflow:1.13.0を使うこと。先にデータベース、秘密鍵、アップロード済みファイルのバックアップを取る。
自動ログインを使っていた環境では、更新の前にパスワード付きのアカウントを用意する。GBHackers、hol.org、Ostorlabによれば、そうしないと、そのまま更新した1.12のインスタンスが起動を拒むことがある(「Username and password must be set」)。Ostorlabは、更新後にLANGFLOW_AUTO_LOGIN=trueを設定し直すとアクセスが再び開くと付け加えている。修正は、すでに漏れた秘密情報を無効にはしない(aicybr、hol.org)。信頼できない第三者がインスタンスに到達できた場合は、鍵を更新する。
悪用の状況はどうなっているのか
2026年11月2日時点で、これらのCVEが悪用されたという報告はなく、CISAのKEVカタログにも載っていない(Ostorlab、GBHackers、neomanex経由のThe Hacker News)。CVE-2026-110186に対するCISAのADPの登録には、SSVCの評価として、悪用「none」、自動化可能「yes」、技術的影響「total」とある。
公開のMetasploitモジュールがCVE-2026-93680を挙げている。The Hacker Newsによれば、示すのは認証の回避でありコード実行ではなく、対象は1.5.0から1.11.4で、IBMの範囲より狭い。別の先例であるCVE-2025-3248(同じくLangflow)は実際に悪用され、KEVに載っている。両者を混同してはならない。
何が確定していないのか
出典:IBM Securityのセキュリティ情報、CVEの登録情報、報道(一部は自動要約で閲覧)。
これらの脆弱性が今後悪用されるかどうか。11月2日付の「悪用の報告なし」という状況は変わりうるからである。公開状態のインスタンスが実際にいくつあるか。MCP経由の経路がどの識別子に当たるか。そして私たちが読んでいないもの、つまり1.13.0のGitHubのリリースノートとNVD。
比較表
| CVE | スコア | 影響 | 認証の要否 |
|---|---|---|---|
| CVE-2026-93680 | 9.8 | 認証バイパス(CWE-287) | 不要 |
| CVE-2026-110186 | 9.8 | 任意コードの実行(CWE-94) | 不要(セキュリティ情報によればMCP経由の経路) |
| CVE-2026-110193 | 8.8 | アシスタントが生成したコードがOSのコマンドを実行 | 必要(権限の低いユーザー) |
| CVE-2026-110192 | 6.5 | 認証情報の保護が不十分 | 必要 |
よくある質問
どのバージョンへ更新すればよいのか
1.13.0である。IBMによれば、修正済みはこのバージョンだけで、回避策はない。
これらの脆弱性は悪用されているのか
2026年11月2日時点で報告はなく、CISAのKEVカタログにも載っていない。これはある時点の状況であり、保証ではない。
更新で締め出されることはあるのか
自動ログインを使っていた環境では、ありうる。先にパスワード付きのアカウントを用意し、データのバックアップを取っておく。
方法と限界
IBMのセキュリティ情報とCVEの登録情報(JSON)は全文を読んだ。Ostorlab、GBHackers、aicybr、neomanex(The Hacker Newsの転載)、集約サイトのhol.orgは、自動要約を通して読んだ。The Hacker Newsの元記事(見つからなかった)、1.13.0のGitHubのリリースノート、NVDは読んでいない。私たちは何も検証していない。個別の状況に合わせたセキュリティ助言ではない。
出典
- IBM Securityのセキュリティ情報(2026年10月28日、10月29日更新)
- CVE-2026-93680の登録情報(CVE.org、cvelistV5)
- CVE-2026-110186の登録情報(CVE.org、cvelistV5)
- Ostorlab、自動要約で閲覧
- GBHackers、自動要約で閲覧
- aicybr、自動要約で閲覧
- neomanex(The Hacker Newsの転載)、自動要約で閲覧